数々の実績を残してきた、マラソンランナー中本健太郎。
中本選手は、福岡県北九州市に本社のある「安川電機」の陸上部に所属しています。
福岡国際マラソン 中本健太郎選手(安川電機) pic.twitter.com/il3vmRgGT6
— M.Kawaguchi (@rikujolove) December 3, 2018
寡黙で、控えめでカッコいいイメージの中本選手ですが、過去には結果が残せず苦しい時期があったようです。
今回はそんな中本健太郎選手の特集です。
経歴について
プロフィール
- 中本健太郎(なかもと けんたろう)
- 所属:安川電機
- 生年月日:1982年12月7日
- 身長:172cm
- 体重:57kg
- 出身地:山口県 豊浦郡菊川町(下関市)
- 出身大学:拓殖大学
- 自己ベスト:2時間8分35秒
参考:安川電機 陸上部
中本選手といえば、何と言ってもバツグンの安定感です。
完走したレースはほとんど10位以内。
世界陸上3回・オリンピック1回出場、サブテンは4度マークしているなど、間違いなく日本マラソン史に残る実績を持っています。
ちなみに趣味はネットショッピングや音楽鑑賞、好きな食べ物はお鮨やコーヒー、嫌いな食べ物はセロリやパクチーなのだとか。
中学時代
野球部に所属。
当時から脚力が強く、俊足の外野手として活躍していたそうです。
中本さんは高校でも野球を続けるつもりでいたようですが、高校の陸上部監督から誘いを受け、陸上部へ入部します。
高校時代
5000mで15分20秒台。
今でこそ日本代表レベルですが、当時は全国大会に出場するような選手ではありませんでした。
しかしタイムこそ全国レベルではないものの、高校の監督のサポートもあり、高校卒業後は拓殖大学へ進学します。
拓殖大学時代。貧血や故障に苦しむ中本選手。
晴れて拓殖大学に進学した中本選手。
しかし貧血や怪我でなかなか結果が出せず、箱根駅伝出場は4年生になってから。(7区・16位)
拓殖大学を卒業すると、安川電機に入社します。
駅伝で結果を出せず、マラソン転向へ。
中本選手は安川電機入社後も、なかなか結果が出せず苦労します。
ある時、安川電機の陸上部監督、山頭監督からある提案が。
「中本、マラソンやってみないか?」
山頭監督のこの提案は、中本選手の運命を大きく変えました。
25歳で迎えた初マラソンの「延岡西日本マラソン」では3位、
続く北海道マラソンでは2位となり、マラソン適性の高さを見せつけます。
「実業団最強ランナー」へ。
2011年、世界陸上大邱(テグ)大会に出場。
9位と惜しくも入賞は逃したものの、初の世界舞台で健闘しました。
続く2012年、ロンドン五輪へ。
日本人最高順位の6位となり、一躍
実業団最強ランナー
と呼ばれるまでになりました。
翌年2013年には世界陸上モスクワ大会へ。
ここでも日本人トップの5位となり、強さを見せつけます。
「マラソンと日本人」という、日本マラソンの歴史について書かれた本にも、中本さんのこういった活躍について書かれています。
しかし2014年以降は怪我に悩まされ、思うように練習ができない日が続いたといいます。
因縁の別大で復活の狼煙!
2017年、中本選手は約1年ぶりにマラソンへ出場します。
選んだ大会は「別府大分毎日マラソン」。
2013年、市民ランナー川内優輝とのデッドヒートに惜敗した大会です。
実はこの時まで中本選手は、世界大会入賞の経験はあれど、マラソンでの優勝経験はまだ無かったのです。
初優勝を狙う舞台に因縁の別大を選ぶとは、さすがですね!
そしてこの別大で見事優勝し、世界陸上ロンドンへの切符を勝ち取ります。
しかし世界陸上ロンドン大会では10位と、惜しくも入賞を逃します。
中本選手の今後について
ロンドン大会後、中本選手がインタビューで、
「今後どのような形で競技を続けるか分からない」
と話していたことで一部では引退説も流れていましたが、
「大阪ハーフマラソン2018」では35歳にして自己ベストを更新するなど、まだまだ力を示しています。
また、安川電機の公式サイトでも、
「MGC出場を目指す」
と明言されていたので、もしかしたら東京五輪で中本さんを見れるかもしれません。
8/26に行われた「北海道マラソン2018」で2時間12分54秒の記録で5位に入り、見事にMGC出場権をGETしました! MGC出場資格を得ている選手の中では最高齢です。 ベテランらしい走りに注目です!
【サポートアスリート】北海道マラソンで中本健太郎選手が5位に。MGC出場権も獲得です👍。中本選手おめでとうございます!#vaam #中本健太郎 #MGC #北海道マラソン https://t.co/aZP9Ecla2s
— VAAM 公式アカウント (@vaam_official) August 26, 2018
性格について
中本選手の周りの方々は、中本さんについてこう話しています。
中本選手のお母様
高校時代の監督
山頭監督
藤原新選手
数々の証言から、クールで非常に真面目でストイックな性格ということが分かります!
安川電機陸上部公式サイトでの、中本選手のコラム
安川電機陸上部員が公式サイトで執筆している選手コラムのコーナーで、中本選手のコラムも紹介されていました。
タイトルは「断捨離」。ネタバレは避けますが、こういった文章を書かれるとは、やはりクレバーな方なのでしょう。気になった方は以下のボタンから読んでみてください。
練習方法について
中本選手は非常に走り込みをする選手で、月に1300kmほど走った期間もあるようです。
ちなみに東京マラソン2018で日本記録を更新した設楽悠太選手は、練習では30km以上走らないそうです。
そうした事を踏まえると、どれだけ多い練習量なのかが分かります。
2019年度は安川電機陸上部主将へ
中本選手が36歳を迎える2019年度。
9月には東京オリンピックマラソン代表選考レース「MGC」を控えるなかで、中本選手は安川電機陸上部の主将になっています。
クラクフマラソン2019では準優勝
2019年の4/28に行われた「クラクフマラソン(ポーランド)」において、2時間11分34秒という記録で準優勝を果たしました。
当日のコンディションは雨。
コースには足首まで浸水するほどの水溜まりが多数ある中での好走。
しかも5kmごとのペースが15分50秒になったかと思えば、14分20秒にまで上がったりといった上げ下げの激しいレース展開に対応しての2位。
とても36歳の走りとは思えません。
9月のMGCでは間違いなくマークされる選手の1人になるでしょう。
まとめ
今回はマラソンランナー、中本健太郎選手の特集でした。
決して派手じゃなくても、実績も無くても、信念を持って努力すればいつか大成する…。
中本選手の走りを見ていると、こういった強いメッセージを感じます。
是非、東京五輪に出場して欲しいと思います!
いとう
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