東京五輪を控え、日本マラソン界はかつてないほどの盛り上がりを見せています。
いとう
※MGCとは…東京オリンピックのマラソン代表選考の方法です。
詳しくはこちらから→日本陸上競技連盟公式サイト http://www.jaaf.or.jp/mgc/
2017年、福岡国際マラソンでの大迫傑選手の2時間7分台を皮切りに、設楽悠太選手の16年振りの日本記録、川内選手のボストン優勝、井上選手のアジア大会優勝、大迫選手の2時間5分台、そして服部勇馬選手の福岡国際マラソン優勝等々…。
さらに三代目山の神、神野大地選手や川内選手がプロ転向を表明など、話題が尽きません。
そんな中で、今回は
- 特に注目のプロランナーは誰なのか。
- 「プロランナー」と「実業団ランナー」は何が違うのか。
このあたりを見ていきたいと思います。
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プロランナーとは?
一言でいえば、
を指します。
日本のマラソン選手の多くは高校・大学を卒業した後、企業が運営する陸上競技部(実業団)に所属します。
そこで業務もこなしつつ午後からは練習、というようなスタンスですね。
つまりはランナーでもあり、会社員でもあるのです。
しかしプロランナーは違います。
会社に勤めるのではなく、自らスポンサーを募ったり、ランニングチームを作ったりして資金を得つつ活動しているのです。
注目プロランナー一覧!
要注目なのはこの5人だ!
①藤原新
- 藤原新(ふじわら あらた)
- 所属:メディフォーム(アキレス株式会社)
- 生年月日:1981年9月12日
- 出身地:長崎県諫早市
- 身長:167cm
- 体重:54kg
- 出身大学:拓殖大学
- 自己ベスト:2時間7分48秒(日本歴代11位)
- 主な実績:ロンドン五輪代表、2015年防府読売マラソン優勝など
「プロランナー」と聞いたら、まず真っ先にこの人が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
プロランナーのパイオニア的存在にしてロンドン五輪代表、藤原新選手です。
拓殖大学卒業後にJR東日本に所属し、2010年に退社、プロランナーへ。
2012年の「東京マラソン」でワールドクラスの海外勢と互角以上に戦い、2時間7分台の記録をマークしてロンドン五輪の座を勝ち取ります。
その後は複数のスポンサーと契約を結んだり、会社を設立するなど注目を集めました。
現在は富士見高原の別荘を拠点にして日々トレーニングを積んでいるそうです。
バネは死してももクッションは死なず。VF4%の寿命は2000kmの新説。 pic.twitter.com/Yo3tZYeCfa
— 藤原 新 (@arata_run) February 12, 2018
②大迫傑
- 大迫傑(おおさこ すぐる)
- 所属:ナイキオレゴンプロジェクト
- 生年月日:1991年5月23日
- 出身地:東京都町田市
- 身長:170cm
- 体重:53kg
- 出身大学:早稲田大学
- 自己ベスト:2時間5分50秒(日本歴代1位)
- 主な実績:2017年ボストンマラソン3位、2018年シカゴマラソン3位など
歴代日本最速の男、大迫傑選手です。
佐久長聖高校→早稲田大学→実業団の日清食品グループを経て、現在はアメリカの「ナイキオレゴンプロジェクト」に所属しています。
まさにエリート街道の第一線を歩んでいる期待のランナーです。
(そしてめっちゃイケメンです。)
National Record !
ありがとうございました! pic.twitter.com/hPbgEujr7x— suguru osako (@sugurusako) October 7, 2018
3000mと5000mの日本記録保持者でもあり、ハイスピードな展開のマラソンにも順応できる能力があります。
初マラソンの「ボストンマラソン2017」で3位、
続く「福岡国際マラソン2017」でも2時間7分台で3位と、高いレベルで安定しています。
東京五輪最有力候補と言っても過言ではないでしょう!
③神野大地
- 神野大地(かみの だいち)
- 所属:セルソース
- 生年月日:1993年9月13日
- 出身地:愛知県津島市
- 身長:165cm
- 体重:45kg
- 出身大学:青山学院大学
- 自己ベスト:2時間10分18秒
- 主な実績:2017年丸亀ハーフマラソン 日本人トップ、2018年東京マラソン18位など
元青山学院大学の山の神、神野大地選手です!
プロランナー神野大地の “マラソン勝負シューズ” ニューバランス NB HANZO V2 https://t.co/nS9pPFnzsC @onyourmark_jpより
— 神野大地 Daichi Kamino (@daichiagu) November 30, 2018
「丸亀ハーフマラソン2017」では大迫選手や設楽悠太選手を押えて日本人トップとなり、マラソンでの活躍も期待されています。
初マラソンとなった「福岡国際マラソン2017」では2時間12分台、続く「東京マラソン2018」では2時間10分台をマークしています。
2018年4月にコニカミノルタ陸上部を退部し、プロに転向しています。
現在はケニア合宿などを取り入れ、五輪代表の座を虎視眈々と狙っています。
④川内優輝
- 川内優輝(かわうち ゆうき)
- 所属:あいおいニッセイ同和損保
- 生年月日:1987年3月5日
- 出身地:埼玉県久喜市
- 身長:172cm
- 体重:62kg
- 出身大学:学習院大学
- 自己ベスト:2時間8分14秒
- 主な実績:2018年ボストンマラソン優勝、マラソン通算36勝など
これまで数々の実績を残してきた川内優輝選手。
- 公務員の市民ランナーなのに世界陸上に出場
- 数々の実業団ランナーに勝利する
などなど、以前から注目はされてきましたが、
「ボストンマラソン2018」優勝でその認知度と実力・実績は確固たるものになりました。
「東京オリンピック出場は考えていない。」と話す川内選手ですが、もしかしたら狙いに来るかもしれません。
今後も何かと注目を集めそうです。
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⑤池上秀志
- 池上秀志(いけがみ ひでゆき)
- 所属:アミノサウルス
- 生年月日:1993年12月17日
- 出身地:京都府亀岡市
- 身長:167cm
- 体重:60kg
- 出身大学:京都教育大学
- 自己ベスト:2時間13分41秒
- 主な実績:2017年大阪マラソン2位、2014年谷川真理ハーフマラソン優勝など
藤原新選手の別荘で共に練習するなどして実力をつけた、異色のプロランナー。
1993年生まれで、大学は京都教育大学。
箱根駅伝は未経験です。
しかし「谷川真理ハーフマラソン2014」で、当時20歳だった池上選手は、
なんとあの公務員ランナー、川内優輝選手に1分以上の大差をつけて勝利しているのです!
さらに初マラソンの「大阪マラソン2017」で、2時間13分台の2位に入っています。
現在はマラソンランナーの観点から、栄養学の情報を中心に発信されています。
知名度はまだ低いかもしれませんが、今後が期待される若手プロランナーの一人です。
以上5選手が注目度の高い選手です。
以上でこの記事のメインは終わりですが、以下は興味がある方だけ…。
実業団ランナーとプロランナーのメリット・デメリットをまとめました。
実業団ランナーのメリット
①安定している
毎月会社からお給料が出るため、経済的には安定するかと思います。
さらに競技引退後も会社員として働いてくことも可能なため、セカンドキャリアを考えた時にも安心感が高いでしょう。
企業からそういったサポートを受ける事ができるのが、実業団ランナーの強みです。
②コーチや栄養士さんがそばにいるので安心
練習を指導いてくれるコーチや食事の管理をしてくれる栄養管理士さんの存在は、非常に頼りになるでしょう。
こういった競技に集中しやすい環境が整っています。
③仲間と切磋琢磨できる
練習は集団で行うので、常に勝負を意識した走りが出来るでしょう。
マラソン練習は、競う相手がいないとなかなかスピードが出しにくいと言われています。
また、チームメイトの存在がモチベーションアップに繋がるのもポイントかと思います。
実業団ランナーのデメリット
①マラソンだけに集中するのが難しい
なぜ、企業が陸上部や駅伝部、マラソン部を持っているかというと、
企業名の宣伝のため
これが大きな理由の一つに挙げられます。
そして企業名のアピールに適しているのが、「駅伝」です。
駅伝は短くて10km前後、長くて20km程度の距離ですが、マラソンとは距離が全く違います。
しかし駅伝に向けた練習もこなす必要もありますし、その後休養もして、さらにマラソン練習もする…。
なかなかマラソンに標準を合わせるのに苦労しそうです。
②業務に時間を取られる
会社員としての肩書きだからしょうがないとは思いますが…。
ただ、実業団によって業務体制はそれぞれ大きく異なります。
選手の業務時間が割と長い会社もあれば、ほとんどプロランナーと変わらないような生活ができる会社もある…。
聞くところによると、こういった具合のようです。
プロランナーのメリット
①マラソンに向けて自由に時間が使える
実業団選手のように業務の時間がないため、100%の時間を競技にあてることができます。
特にマッサージなどのケアは、充分に行える事でしょう。
②1つのマラソン大会に向けて集中できる。
企業のように駅伝がないため、レースプランが立てやすいでしょう。
合宿も好きなだけ行えますし、練習の一環としてハーフマラソンを沢山走ってみたりも出来ますね。
③スポンサー料で大儲けの可能性
やり方によっては、スポンサーからのお金で大儲けができると言われています。
かつて複数のスポンサーと契約していた藤原新選手も、かなりの額を手にしたと言われています…。
プロランナーのデメリット
①なかなか安定しない
実業団選手と比較すると、安定感は無いと言われています。
イメージ的にはフリーランスに似ているかと。
また、競技引退後の生活についても自身で考える必要があります。
(実績を作ってしまえば大学や実業団のコーチに就任できるそうですが…。)
②人脈を見つける必要がある
実業団のようにコーチや栄養士さんがいるわけではありません。
従って、これらの人も自分で探す必要がありますね。
③モチベーションの維持が難しい
今はプロランナーが増えて練習場所や練習方法が確立されてきました。
しかし、プロランナーのパイオニア、藤原新選手が最初にプロになったときは、練習に協力してくれる人を見つけるのに苦労したそうです。
今の時代でも、協力者がいないとなかなか思うようにいかない事が多いでしょう。
まとめ
今回はプロランナーについて書かせていただきました。
プロランナーにしろ実業団ランナーにしろ、走る事を生業としている点は同じです。
東京オリンピックではどんなランナーがどんな走りをするのか、非常に楽しみです。
読書にオススメ:マラソン関連の本
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