この記事は「5000mで16分台を目指している!」という人に向けた内容です。
筆者は中学まで野球部、そして高校から陸上の長距離種目を始めました。
最初のころは、高校生の長距離部員としてはタイムが遅く、タイムは以下の通り。
- 1000m→4分10秒(練習で)
- 1500m→5分50秒
- 5000m→21分40秒
正直、陸上部員としてはかなり低レベルでした。
しかし、そんな僕でも地道に練習を積んでいったら16分台を安定して出すことができるようになったので、今回はコツと練習を僕なりにまとめてシェアしたいと思います。
最初に:16分台を出すために必要なこと
- スピード強化
- 持久力強化
- スピードとフォームを維持するために体幹強化
要は、(当然ですが)全ての要素を総合的に上げる必要があります。
特に、インターバル走などでスピードと心肺機能を強化することが重要になってきます。
16分台に必要な基礎的なスタミナ
1キロ4分台のペースで16kmくらいジョグができる脚ができていれば、16分台のスタミナはクリアしているかと思います。
5000mでタイムを縮めたいのであれば、マラソンを完走できるようなレベルのスタミナは必要ではありません。
それよりスピードの強化と維持が重要です。
16分台に必要なスピード
5000mで16分台を出すためには、1kmあたり3分24秒を切るペースで5kmを走らなければなりません。
よって、
- 1000mを2分55秒前後で走れるレベルの最大スピード
- 6000m3分40秒程度のペースランを、単独走で余裕を持ってこなせること
タイムに科学的根拠があるワケではありませんが、このあたりがザックリとした目安になるかと思います。
さて次に、具体的な練習方法の例も挙げています。
16分台を目指す練習の例
インターバル走やペースランを取り入れ、とにかくスピード強化を図ることが大切です。
以下のような練習で心肺を追い込みつつ、本数をこなし持久力もUPさせていきましょう。
- 400m×15~20本
ペースは72秒~76秒ほど - 1000m×5~7
ペースは3分20秒前後(目標レースペースよりやや速く) - 8,000m~12,000m PR(ペースラン)
ペースは「LT値」による
など
「LT値」については、以下で解説します。
「LT値」について
さて、先ほど「LT値」というワードが登場しました。
ぜんぜん難しくないので、シンプルに理解できればOKです。
「LT値」とは簡単に言うと、走っているときに疲れを感じるポイント(ペース)の事です。
従って「LT値」を向上させることが、タイム短縮のカギとなるのです。
そしてそのLT値付近のペース設定でペースランをする事で、LT値を効率的に向上させることができるのです。
「LT値ペース」の求め方と練習内容
5,000mの自己ベストタイムから、我々のLT値ペースの目安を求めることができます。
まず、以下の表を参考にしてみてください。
【5000mのベストタイム】 | 【8,000mのPRペース設定】 | 【12,000mのPRペース設定】 |
17分00秒 | 3分41秒/km | 3分47秒/km |
17分10秒 | 3分43秒/km | 3分49秒/km |
17分20秒 | 3分45秒/km | 3分51秒/km |
17分30秒 | 3分47秒/km | 3分53秒/km |
例えば5,000mのベストが17分ちょうどの選手は、8,000mPRなら1kmあたり3分41秒、
12,000mPRなら1kmあたり3分47秒のペースが、LT値向上に最も効果的なペース設定なのです。
そしてご覧のとおり、5,000mの自己ベストタイムが10秒短縮するごとに、ペーランの設定ペースは1kmあたり2秒短縮していますね。
これをもとに自分の自己ベストと照らし合わせて、個々の最適なペースを求めてみて下さい。
さて、LT値をもとに練習のペース設定を考えると、ちょっとペース的に速いと感じるかもしれません。
しかし、LT値を向上させるために必要な練習だと割り切り、このペースに果敢にチャレンジしてみましょう。
中距離ブロックでの武者修行もアリ【ミトコンドリア】
日によっては、中距離ブロックの練習に混ぜてもらいスピードを強化する、といった工夫もアリです。
というのも、中距離のようなスピード重視の練習は「無酸素性トレーニング」の意味合いがあるからです。
「無酸素性トレーニング」とは、カンタンに言うとショートインターバルなど、強度が高く距離が短めの練習のことを指します。
そういった「無酸素性トレーニング」を行うことで、「ミトコンドリア」が大きくなったり増加したりします。
ミトコンドリアが増えると、より多くのエネルギーをランニングに使用することができるようになるのです。
さて、ちょっと話が逸れますが、筋肉には
- 速筋
- 遅筋
が存在していると言われていますよね。
長距離をやっていると速筋の使用が疎かになるため、強度の高いトレーニングで意識的に速筋を刺激することで、遅筋だけでなく速筋の中のミトコンドリアも増加させる、といった目的があるのです。
よって、定期的に、そして意識的に、中距離ブロックでの武者修行はオススメです。
ちなみに筆者もタイムが伸び悩んだとき、1ヶ月ほど中距離ブロックで武者修行しました。
その結果、1km3分20秒というペースが非常に楽に感じるようになりました。
また、レースでのラスト200mのスパート力も向上し、個人的にはメリットづくしでした。
タイムが伸び悩んだりマンネリしているのであれば、上記のように練習内容をガラッと変えることで、ブレイクスルーが生まれるかもしれません。
試合での心がけ、レース展開について
3,000mまでペーラン、2,000mから頑張る
3,000mまではただただレースの流れに乗って、1km3分20秒ほどのペースを刻む意識でいきましょう。
前に出たくなっても決して無理はせず、フォームとピッチの維持に努めましょう。
3,000mまででバテてしまうと、自分の実力を発揮しきれず、不完全燃焼で終わってしまう可能性があります。
もちろん挑戦することは大事ですが、確実にタイムを狙いたい場合は、こういった安全策がオススメです。
そしてラスト2,000mからが勝負です。
「残り5周」の表示を見ると萎えますが(笑)、今までやってきた事をフルバーストする時です。
たとえタイム的には変化がなくても「ペースアップする」という気持ちでいきましょう。
ラスト1,000m以降は、もう根性論の世界でしかないです(笑)
もはやタレる心配をする必要もありません。必死のスパートをキメてやりましょう。
16分台を出すと…。
駅伝強豪高校でもない限り、5000mで16分台をマークできれば駅伝でスタメンが狙えるでしょう。
部活やチームのレベルによっては、エース格になれる場合もあります。
また、以前よりさらに質の高い練習を積むことができるようになるため、その先の16分30秒切り、15分台…といった目標も視野に入ってくることでしょう。
このように16分台をマークすれば、選手としての視野が広がり、ブレイクスルーが起きることも期待できるのです。
故障した時の練習について
16分台を目指すにあたって、スピード強化が重要なのは先述のとおりです。
しかし、それは同時に故障リスクが上がることも意味します。
放っておくと、せっかくハードな練習で研ぎ澄ませた自分の身体がパーになってしまいます。
そこで、故障時に走れなくても有酸素運動ができ、なおかつ心肺機能も追い込める方法を3つ、ご紹介します。
➀「スピンバイク」の活用
「スピンバイク」を使うことで、故障期間中でも心肺機能を追い込むトレーニングが可能です。
(※「エアロバイク」じゃなく「スピンバイク」にしましょう!トレーニング目的なら!)
3分ほどで汗が噴き出し、インターバル走レベルの負荷を掛けることができます。
この「スピンバイク」についての詳細は以下の記事からどうぞ。
また、普段の練習にも「スピンバイク」を取り入れることでトレーニングのバリエーションが豊富になりますし、それは結果的に怪我の防止にも繋がります。
多用なトレーニングが可能なので、汎用性も高いです。
スピンバイクは膝をよく使うため、膝を故障した人には不向きです。
一方で足の指やふくらはぎ部分、足底などのケガであれば気にせず使用可能なので、適宜活用していきましょう。
②水泳
水泳は心肺機能を追い込む事ができるため、定番の「故障者メニュー」です。
ただ、いつでもプールが利用できる環境にある人ばかりではないと思うので、そこは難点ですね。
とはいえ有効なトレーニングですので、時間が取れる時だけでもプールに行って追い込む、といった事は必要かと思います。
③体幹トレーニング
故障時期を利用して、体幹をみっちり鍛え上げましょう。
ここでは方法までは紹介しきれませんが、
いとう
といったつもりで。
皆さんのトレーニングマニュアルでもいいですし、YouTubeでキツい筋トレ方法を調べてもいいですし、とにかく今できる筋トレで追い込んでいきましょう。
まとめ:諦めなければ16分台は絶対に達成できる!
という事で今回は「5000mで16分台を出すためのノウハウ」でした。
「LT値ペーラン」をはじめとした効率的な練習を取り入れつつコツコツ継続していけば、必ず16分台は達成可能です。
また、スピード練習には怪我が付きものですので、しっかりとマッサージやストレッチ、場合によっては整骨院などに行くようにしましょう。
余談ですが、筆者は調子が上がっている秋の時期に故障してしまい、その中で16分44秒という自己ベストが出たのですが、
いとう
と、非常に悔しかったのを覚えています。
そして今でも悔しいです。
しっかりとマッサージとストレッチをし、違和感があれば無理をせずにスピンバイクや水泳などの練習に切り替えながら、練習を積んでいきましょう。
さて、「5,000mで16分台」は21分台の僕でも可能だったので、現在17分台や18分台の人なら、練習次第ですぐ到達できると思います。
何より練習を楽しみながら!
仲間と切磋琢磨しながら!
チャレンジしていって欲しいな、と願っております。
いとう
では、記事は以上です。
ありがとうございました。
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