「林先生の初耳学」という番組で「高学歴ニート」について取り上げられているのを偶然目にしました。(この放送回では橋下徹さんが「熱血授業」の先生として登場)
年収1,000万円と言われる「プロ奢ラレヤー」さんや、バイトしつつ田舎暮らしの女性(京大卒)なども”ニート”として紹介されており、
いとう
というのが正直な感想でしたが、とはいえ番組内において「ニート」の定義がそこまで広げられている以上、やはり放ってはおけない話題です。
まぁ実際は、TV局が視聴者に分かりやすいように「斬新なことをして生きているニュータイプの若者=どうしようもない人たち」という構図で番組を作っているだけ(多分)なので、ここでは細かいことに触れないでおきましょう。
さて、前置きが長くなりましたが「高学歴ニートは”クズ”なのか」について、予備軍である筆者が考えてみようじゃありませんか。
高学歴ニート達の主張
- 週5労働は多い!
- 親のスネを囓って何が悪い!
- 働きたい人だけが働けばいい!
- 親が勝手に産んだくせに、その上イヤな仕事をするのはあんまりだ!
- 今の社会は若者に対して優しくない。団塊世代に搾取されてるからチャンスは平等ではない!
などといった、実に様々な声。「ごもっとも」な意見もあるように思えます。
これに対して:橋下徹さんからのアドバイス
上記のような意見を持つ「高学歴ニート」達に対して、橋下さんは「燃焼」というキーワードでアドバイスをされていました↓
- 確かにイヤな仕事なら辞めればいい。
- 自分に与えられたチャンスを掴むためには、”行動力”が必要。
- 計画的な生き方なんてしなくていい。自分が完全燃焼できる分野を見つけ、そこで頑張ることが大事。
- ただし(橋下さんご自身の経験則によると)”35歳”までがデッドライン。それまでに「燃焼」できる場を見つけよう。
- 政治的な不平等や雇用の問題は確かに存在している。だからこそ、若者も選挙活動をすべき。
- いつの時代でも社会に問題があった。だが、改善を積み重ねてきてた結果、今の現状がある。だから、現在の問題を解決していくのは現役世代。
というアドバイス。ぐうの音も出ない…。
キーワードは「燃焼感」
では、橋下さんの「高学歴ニート」達に対するアドバイスを、もう少し具体的に見ていきましょう。
まず、「イヤな事は辞めてOK」という点。
だけどその代わり、自分が全てを懸けて「完全燃焼」できる仕事や活動を、少なくとも35歳くらいまでには探そうぜ、という事を何度も主張されていました。
もうちょっと具体的に言うと、
- 仕事
- 親孝行
- 子育て
- 趣味や特技
こういった事を、橋下さんの言葉を借りれば「明日、死んでもいいと思えるくらい」に取り組めるかどうかが大事だとの事。
さらにこの”燃焼感”は、”年収”よりも大切だと言います。
数千億円稼いだとも言われる、ZOZOTOWNの前澤さんを例に出して、
お金だけが目的だったら、彼は新事業なんてやらない。前澤さんは、まだ完全燃焼していないからこそ新事業をやるんだ。
と。なるほど確かに…。
働き方や生き方が多様化し、改めて「お金って何だよ(哲学)」ということを考えざるを得なくなった2019年現在ですが、そんな中で「イヤな仕事は辞めてもOK」というアドバイスは、凄く現代的だと感じましたね。
”若者に対して優しくない社会”という主張に対しては
一方で、「手取り15万。税金高い。日本終わってる」などの発言に代表される、若者の貧困問題もあります。
こんな状況だと「頑張ってもムダだし、働くなんてバカバカしい」という発想になるのも確かに分かる気がします。
これに対し橋下さんは、「若者の貧困や雇用問題も、現役世代が解決すべき社会問題である。」と語っています。
ところで、「 団塊の世代が歩いた後は、ペンペン草も生えない」など、何かと批判(嫉み?)されることが多い団塊世代ですが、
「団塊の世代が歩いた後は、ペンペン草も生えない」。団塊世代の特徴の中から3つを取り上げ、彼らが身近な人、特に若い世代から「激しく嫌われた理由」を探ります。http://t.co/OaUAIxT6Lq pic.twitter.com/pPydWqJR8C
— 東洋経済オンライン (@Toyokeizai) October 9, 2015
とはいえ今まで様々な社会問題に向き合い、解決してきた実績があるのも事実です。
例えば、過去には女性に参政権が無かったり、劣悪な労働環境などの様々な問題がありました。しかしそこから女性の参政権を実現したり、労働基準法などを勝ち取ってきた歴史がありますよね。
それらを受けて、「じゃあ、現代の若者世代が解決すべき社会問題って何だよ?」という疑問ですが、例えばこんな問題があると思います。↓
- 高度経済成長やバブルなどの”ボーナスステージ”が無かった。
- にも関わらず、増えた高齢者を支えるために消費税も社会保険料も上がるから、働けど豊かにならない。
- しかも仕事内容はさらに複雑化し、一人あたりの仕事量も増える。
- 長時間労働で散々こき使われてやっと家に帰ってスマホを見れば、SNSで楽しそうに稼いでいるイケメンや美女が目に入ってくる…。
(最後はちょっと脱線しましたが)こういった問題や不満が挙げられます。
橋下さんは、若者が直面しているこういった問題に対し
今は高齢者世代に搾取されているかもしれないし、雇用システムの欠陥があるのも事実だが、これまでの歴史がそうだったように、その中で戦って変えていくしかない。
と提言しています。
つまり、「手取り15万」「手取り14万。日本終わってますよね?」というのも、一旦は受け入れ、そして解決していく他ないのです。
まぁとは言え、めっちゃ難しい課題だとは思いますが。(このあたりは永江一石さんのブログ等が非常に勉強になります。)
なぜニートになるのか。結局、高学歴ニートはクズなのか。
あくまで番組を観ただけですが、「高学歴ニート」になる原因は、大きく2つくらいは考えられるのかなと。
(高学歴の方に失礼だと承知の上で、述べさせていただきます。)
➀与えられた課題をこなす事だけに特化し過ぎた説
高校や大学までの勉強は「与えられた課題を解く型」ですが、それこそ”働く”となると「課題を自分で見つけて、正解が分からないなりに解く型」だと思っています。
つまり、仕組みが根本的に違うんですよね。
筆者は高学歴でもありませんし社会人経験もありませんが、ちょくちょく在宅ワークをこなす上で
いとう
という壁によくブチ当たります。
その度に、学校の勉強との違いを強く突きつけられた感覚になるんですよね。
②受験で”燃焼”し切った説
「高学歴」になるには、幼少期から相当な努力が必要でしょう。それこそ”燃焼感”を抱いて勉強しなければ達成不可能だと思います。
だからこそ「大学受験」が人生最大の目標になってしまいやすく、いざ合格した瞬間に”完全燃焼”しやすいのかなと。
もしくは、大学受験の達成感が強烈過ぎて、もはや並大抵のことでは燃焼感を得られなくなってしまっているのかもしれません。
いずれにせよ、高学歴が故のゆゆしき問題であります。
かくいう僕も、高学歴ではないクセにいっちょ前にバーンアウト状態になった経験がありますが、いろんな自己啓発本を読むうちに、やはり「興味や関心がある事だけを勉強した方がいい」という結論に至りました。
受験勉強を超える新しい燃焼ポイントを見つけられるか否かが、高学歴の最重要ミッションなのかもしれないですね。
「高学歴ニート=クズ」とは思えない
ここまで考えてみると、「高学歴ニート」はクズではなく、ただ「優秀だけど、自分の力をどこに使うべきか悩んでいる」という状態にあるだけなのかな、と感じました。(あくまでテレビ越しのイメージでしかありませんが)
根っからの怠け者だったら、そもそも高学歴になり得ませんしね。
橋下さんの言う「行動力」や「燃焼感」をぶつける対象が見つかっているかどうかの違いでしかないのかなぁと、客観的に見ていて感じましたね。
最後に:明日から出来るファーストアクション
ここまで、高学歴じゃない筆者の想像だけで「高学歴がニートになる理由」を考察してきました。
ところで、筆者の周りにも「働きたくない!」という大学生が結構いましたが、
- トライアスロンに目覚める
- 動画編集に目覚める(RTA)
- 起業に燃えている
- 読書に目覚める
- ナンパを極めて女の部屋で目覚める(物理的)
など、ヘンな事に目覚めるヤツが多かったです。しかし、間違いなく彼らは以前より輝いて見えます。
ヘンな事でも熱中すればメシの種になる時代だし、ゲームみたいに熱中できる事を探すことが、まさに「明日から出来るファーストアクション」なのかなと。
…という事で感想文みたいな内容になってしまいましたが、今回は以上です。ありがとうございました。
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