今回は、作家の三田村信行さんの「三国志」シリーズ(全5巻)を読んでみた感想をお話したいと思います。
僕が最初にこの本を読んだのが小学校5年生の時でしたが、非常に読みやすくて10回以上は読んだ記憶があります。
学校の読書の時間くらいしか読書をしていなかった当時の僕が、唯一寝る時間を削ってまで読書に没頭してしまった本でもあります。
今でこそ僕は文章を読む事が好きですが、その原点となったのはこの本だと言っても過言ではありません。
この「三国志」シリーズは、対象年齢が「小学校高学年~中学生」とされているようですが、
- 三国志を読んだ事がない方
- 三田村信行さんのファンの方
- 文章慣れをしたい中高生の方
- 子どもに三国志を読ませたい方
年齢に拘らず、こういった方々に是非読んで頂きたい作品です。
その理由については、以下の項目でお話したいと思います。
三田村信行さんについて
その前に作家の三田村信行さんについて、勝手ながら軽くご紹介させていただきます。
三田村信行さんは1939年生まれの作家さんです。
早稲田大学文学部を卒業されてから、
- おとうさんがいっぱい
- キャベたま探偵シリーズ
- 風の陰陽師シリーズ
- 妖怪道中膝栗毛シリーズ
などなど、人気作品を連発する作家さんになりました。
また、今回の三国志をはじめとした伝記・古典の翻訳もされており、現在に至るまで数多くの作品を手掛けていらっしゃいます。
三田村さんの三国志を勧める理由
大きく3つの理由があります。
①読みやすさ
先ほど、
いとう
と言いました。
しかし、なぜ小学校高学年からなのでしょうか。
それは内容が稚拙だから、という事では決してありません。
三国志としての内容がギッシリ詰まっている上に、ムダに小難しい言い回しがない、シンプルで理想的な内容になっています。
もちろん三国志ですので、聞き慣れない難しい単語も登場します。
しかし、その単語が出てきたページの端にそれぞれ注釈が付けられており、非常に読み進めやすくなっています。
そのため三国志のような難しい内容でも、小学生から読めるようになっているのです。
いとう
②感情移入しやすい
三国志には、実に数多くのキャラクターが登場します。
劉備、関羽、張飛、諸葛亮、曹操、孫権などなど。
もちろん、三国志ですから正義と悪の対立があります。
しかし正義のヒーローだけではなく、悪として描かれている人物のエピソードも深掘りされており、登場人物一人ひとりに感情移入できるようになっています。
特に三国志の世界は裏切り、裏切られの繰り返しです。
ですので、このように登場人物の心理状態が詳しく描かれていると、まるでその人物になったかのような緊張感を味わえるんですよね。
③文章力がかなり上がった
これは小~中学生、またはその親御さんが特に関心を寄せる事だと思います。
上記のような、
- 伝わりやすい文章
- 心理状態を分かりやすく描いた文章
こういう文章を読んでいたからでしょうか、
あるとき文章をどう書けば良いかがパッと分かった時があったのです。
もちろん、三田村さんにめちゃくちゃ影響を受けた文章でしたが(笑)
しかし当時は、三田村さんの言い回しをマネして書いた作文で、先生に褒められない物はありませんでした。
いとう
三田村さんだったらこう表現するんだろうなー
とか考えて書いてました。
文章を書く上で、自分が模範とする作家さんを見つけるのは大切でしょう。
三田村さんの三国志は、文章を書くコツ・ポイントが非常に掴みやすいと感じています。
そういった意味で、三田村さんの三国志を読んでお手本にしてみるのは、文章力を上げるキッカケになると考えています。
さらにこうした文章に触れるのは、国語の現代文対策にも有効でしょう。
高校・大学と受験を経験した僕ですが、国語だけ苦労しなかったのは、もしかしたら三田村さんのおかげかもしれません。(笑)
いとう
最後に
今回は、三田村信行さんの「三国志」シリーズの紹介をさせていただきました。
最近はYouTube・まとめサイト・SNSなどの登場で、作家さんが書いた文章に触れる機会が減っているかもしれません。
もちろんそういったメディアの利用も必要だとは思いますが、書籍を定期的に読む習慣も身につけたいですね。
どうせ読むなら、文章の専門家が生み出した正しい文章を読みたいですからね。
いとう
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